今、航空業界の脱炭素手段のひとつとして、「SAF」が注目されています。SAFとは「Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)」の略称。廃食油や植物などを原料に製造されるもので、従来の石油由来の燃料に比べてCO2排出量を大幅に抑えることができる環境に配慮した航空燃料です。日本政府は2030年までに国内航空会社による燃料使用量の10%(約170万KL)をSAFに置き換える目標を掲げており、国内で長きにわたって航空燃料を製造してきた出光興産でも、SAFの供給体制の構築に取り組んでいます。
プロジェクトの一部が進められているのは、市原市の臨海部に位置する千葉事業所。こちらでは、SAFのなかでも「ATJ(Alcohol to Jet)」の製造実証に向けた取り組みを進めています。
「ATJとは、サトウキビなど植物由来のエタノールをはじめとするアルコール原料にて、航空燃料を作る技術です。ATJで作られるニートSAFを従来の石油由来のジェット燃料に混合して出荷する計画で、ニートSAF生産量ベースで年間10万KLの供給を目指しています」
そう話すのは、ATJのプラント設計を担当している大河さん。東京で育ち、出光興産への就職を機に千葉県へ移り住んだ大河さんは、山口県の徳山事業所や東京本社での勤務を経て、2022年に千葉事業所へと戻ってきました。