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持続可能な航空燃料の製造実証機を開発すべく市原へ

持続可能な航空燃料の製造実証機を開発すべく市原へ

千葉市(東京都→千葉県→山口県→東京都→千葉市:2022年~)

大河悠一さん(出光興産株式会社 ATJプラント設計業務)

東京湾岸に広がる京葉臨海コンビナートは、日本最大規模の素材・エネルギー産業の集積地。その一角にある出光興産の千葉事業所では、カーボンニュートラル社会の実現を目指して新たな航空燃料の製造実証機の開発を進めています。そのプロジェクトに従事する大河悠一さんにお話を伺いました。

環境に配慮した持続可能な航空燃料「SAF」

  • 1963年に操業開始した千葉事業所。2027年度には敷地内に新たな統合研究所も誕生予定
    1963年に操業開始した千葉事業所。2027年度には敷地内に新たな統合研究所も誕生予定
  • 千葉事業所の一角には創業者ゆかりの宗像大社から分霊した宗像神社が鎮座
    千葉事業所の一角には創業者ゆかりの宗像大社から分霊した宗像神社が鎮座

今、航空業界の脱炭素手段のひとつとして、「SAF」が注目されています。SAFとは「Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)」の略称。廃食油や植物などを原料に製造されるもので、従来の石油由来の燃料に比べてCO2排出量を大幅に抑えることができる環境に配慮した航空燃料です。日本政府は2030年までに国内航空会社による燃料使用量の10%(約170万KL)をSAFに置き換える目標を掲げており、国内で長きにわたって航空燃料を製造してきた出光興産でも、SAFの供給体制の構築に取り組んでいます。

プロジェクトの一部が進められているのは、市原市の臨海部に位置する千葉事業所。こちらでは、SAFのなかでも「ATJ(Alcohol to Jet)」の製造実証に向けた取り組みを進めています。

「ATJとは、サトウキビなど植物由来のエタノールをはじめとするアルコール原料にて、航空燃料を作る技術です。ATJで作られるニートSAFを従来の石油由来のジェット燃料に混合して出荷する計画で、ニートSAF生産量ベースで年間10万KLの供給を目指しています」

そう話すのは、ATJのプラント設計を担当している大河さん。東京で育ち、出光興産への就職を機に千葉県へ移り住んだ大河さんは、山口県の徳山事業所や東京本社での勤務を経て、2022年に千葉事業所へと戻ってきました。

未来のために出光興産だからできることを

  • 国内最大規模の製油所・石油化学工場を有する千葉事業所には巨大な貯蔵タンクがずらり
    国内最大規模の製油所・石油化学工場を有する千葉事業所には巨大な貯蔵タンクがずらり
  • デスクワーク中の大河さん。プロジェクトマネージャーとして予算や工程管理も行っています
    デスクワーク中の大河さん。プロジェクトマネージャーとして予算や工程管理も行っています

千葉事業所でSAFの製造を行う背景について、「成田空港や羽田空港に近いという立地的な条件がよいことに加え、タンクや敷地などの既存インフラを活用できるのが最大のポイント」と大河さんは話します。現在、千葉事業所で製造されている航空燃料は、船やパイプラインで成田空港と羽田空港へ運ばれており、SAFもその輸送路を使って各空港へ届けられる予定とのこと。輸送のみならず、燃料のブレンディングや貯蔵についても、これまで培ってきた安全・品質・運転の知見や管理体制、既存の基盤設備を活かせることが出光興産の強みです。

「持続可能な社会を作っていくためにSAFは必要なもので、私たちのような航空燃料を製造してきた会社だからこそできることだと思っています」

未来のエネルギー産業を牽引する仕事に誇りを持って取り組む大河さん。入社以前からこんな思いを持っていました。

「大学は理学部でしたが、そこで研究していたことが社会のためになるのは何百年も先のこと。生きている間に人の役に立つ実感を持ちたいと思い、インフラ企業である出光興産に入社しました。今は社会が抱えている課題に対してプラントを作るということを通じてソリューションを提供できる。そこにやりがいを感じていますね」

休日はゴルフやドライブでリフレッシュ

  • 休日は愛車でドライブを楽しんでいます
    休日は愛車でドライブを楽しんでいます
  • 館山市にあるパワースポット・洲崎神社の富士山を望む鳥居にて
    館山市にあるパワースポット・洲崎神社の富士山を望む鳥居にて

現在、大河さんは千葉市にある会社の借り上げ住宅で暮らしています。市原市にある会社へは電車と企業バスで通っていますが、休日は車で出かけることも多いそうです。

「趣味のゴルフや小旅行において活動範囲を広げたいと思い、最近車を購入したんです。この間は、安房神社と洲崎神社に行ってきました。神社のいいところは、マインドリセットができるところ。日々判断の連続なので、一度深呼吸して自分と向き合うという意味でも神社巡りはいいんです」

肝心のゴルフは多忙のためあまりできていないそうですが、「練習場へも行きやすくなったのでこれから腕前を上げたい」と意欲をみせます。車を手に入れ、千葉県での暮らしはより充実したものになっているようです。

「千葉市は都市なので必要なものはそろっていますし、一方で、海など自然豊かな場所へ行こうと思えばすぐに出かけられる。県内には木更津や酒々井のアウトレットや船橋のららぽーとなどショッピングスポットも多いですよね。働くにしても暮らすにしても選択肢はかなり広いと思うので、そこが千葉県のいちばんの魅力かなと思います」

自分が作った燃料がだれかの活力につながっている

旅行、ゴルフ、野球など休日はアクティブに過ごしているそう

行動範囲が広がったことで、これまで意識していなかった部分にも気づきがあったと話します。

「車での旅行だけでなく、この間はジェット機に乗ってハワイにも行ってきました。そこで感じたのが、今はネットで調べれば何でも情報としては分かるけれど、自分の目で見て直に触れることがインプットになって、それが次のアウトプットにつながっていくということ。エネルギーを使ってより遠くへ移動するということが、人の活力につながっていて、私たちはそういうエネルギーから派生する“活力”についても間接的にお客様にお届けしているんだと改めて思いました」

エネルギーが人を動かし、そこで生まれる活力がまた人を動かす――。プラント設計という仕事は、そのサイクルの始まりともいえるのではないでしょうか。近い将来、大河さんたちの手によって千葉県で生まれる新しいエネルギーは、さらに大きな活力を生み、私たちの暮らしをより豊かなものにしてくれるはずです。

本稿は、2025年10月の取材に基づいています。

持続可能な航空燃料の製造実証機を開発すべく市原へ

プロフィール

大河 悠一さん

職業 出光興産株式会社 ATJプラント設計業務
住居 賃貸アパート(会社の借り上げ住宅)
支援制度利用

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