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理想の子育て環境を求めて移り住んだ南房総で、地域おこし協力隊として活躍中

理想の子育て環境を求めて移り住んだ南房総で、地域おこし協力隊として活躍中

南房総市(東京都→南房総市:2022年~)

高木創史さん(地域おこし協力隊)・真由子さん(ヨガインストラクター)一家

千葉県の南端にあり、三方を海に囲まれた南房総市。美しい海岸線と里山という豊かな自然を誇る一方、都心からのアクセスも良く、移住者も多いエリアです。そんな環境に惹かれて移住を決意した高木創史さんは、現在、地域おこし協力隊として活動中。地域を盛り上げるため日々奮闘しながら、家族とともに充実した日々を送っています。

仕事を決める前に移住を決意

  • 「東京ではママチャリに乗っていたくらい(笑)。むこうとこっちでは自転車で走る気持ち良さがぜんぜん違いますね」と創史さん
    「東京ではママチャリに乗っていたくらい(笑)。むこうとこっちでは自転車で走る気持ち良さがぜんぜん違いますね」と創史さん
  • 旧平群(へぐり)保育所を複合施設として再活用した「HEGURI HUB」。地域内外の人々の交流の場となっています
    旧平群(へぐり)保育所を複合施設として再活用した「HEGURI HUB」。地域内外の人々の交流の場となっています

2022年12月から南房総市地域おこし協力隊員を務める高木創史さん。海と山に囲まれ、起伏に富んだ南房総市はサイクリストにも人気で、創史さんは自転車を使った観光推進に取り組んでいます。現在の主な仕事場となっているのは、伊予ヶ岳の麓にある廃校を活用した複合施設「HEGURI HUB」。レストランやコワーキングスペースを備え、サイクリストの拠点にもなっている場所です。創史さんはここでデスクワークをしつつ、レンタサイクルやゲストハウスの運営、マルシェの企画・開催などを行っています。以前から地域づくりや自転車に興味があったのかと思いきや「実は移住することを先に決めて、仕事はあとから探したんです」と意外な答えが返ってきました。

コロナ禍をきっかけに子どものために南房総へ

真由子さんは生まれも育ちも文京区。小学生の頃に臨海学校で南房総を訪れたことがあり、その時の穏やかな海の記憶が、移住先を決めるきっかけのひとつになったそうです

もともと、東京都文京区で「GOEN inn Tokyo」という宿を営んでいましたが、コロナの影響で利用客は激減。また、2人の男の子に恵まれ、自然豊かな場所で子育てをしたいという気持ちも芽生え始めていました。

「次男のアレルギーがひどくて……食べ物や空気など色々なことが関係していることがわかりました。旅館業がうまくいっている時は東京を離れられなかったのですが、コロナで一気に状況が変わり、東京を離れるなら今じゃないかと思ったんです。海水のミネラルが肌にいいと聞いて、移住するなら海の近くがいいねとなりました」と妻・真由子さんは当時を振り返ります。

都心から2時間圏内であることや無農薬の野菜が手に入りやすいことなどの条件をあげて候補地をしぼり、最終的にいすみ市と南房総市でトライアルステイを実施。遠浅の穏やかな海と東京湾アクアラインで90分というアクセスの良さから、2022年3月、家族で南房総市へと移り住みました。

「HEGURI HUB」で働きながら地域おこし協力隊に

  • 「HEGURI HUB」のコワーキングスペースにはレンタサイクルも併設。ワーケーションでの利用も多いそうです
    「HEGURI HUB」のコワーキングスペースにはレンタサイクルも併設。ワーケーションでの利用も多いそうです
  • ブレーキなどを確認してレンタサイクル利用者へ自転車を引き渡します。施設ではサイクリングマップなども用意しています
    ブレーキなどを確認してレンタサイクル利用者へ自転車を引き渡します。施設ではサイクリングマップなども用意しています

「トライアルステイの際、“何か仕事はないですか?”と相談したら『HEGURI HUB』を紹介してくれたんです。その時に地域おこし協力隊の募集があることも教えてもらい、それまでの期間はこの施設のマネージャーとして働かせてもらうことになりました。仕事と住まいがネックだったのですが、なんとかしましょう!とまわりの方々が動いてくれたのは助けになりましたね」

現在は東京の宿も再開。宿の仕事はオンラインで行いつつ、地域おこし協力隊としてさまざまな企画を進めています。2023年10月には、自転車とシーカヤックで地域を巡るイベントを行い、大成功を収めました。今後もアウトドア体験や農業体験など、南房総ならではの付加価値のあるサイクルイベントを開催していきたいと話してくれました。また、創史さんが発案した「HEGURI HUB」でのマルシェは地元の人々にも大好評。口コミが広まり、出店数もお客さんも増え続けています。ほかにも夫婦のスキルを活かしたイベントを行っており、ヨガのインストラクターでもある真由子さんが庭でヨガ教室を行うこともあるとか。

「ここでのヨガ教室のほかに、オンラインでヨガやパーソナルトレーニングもしています。今はリモートで仕事ができるので、そういう働き方の見本になれたら」と真由子さんは語ります。

都会では特別だったことが日常の中にある

  • 醤油づくりにもチャレンジ! 「市販のものとぜんぜん違ってびっくりするくらいおいしい」とのこと
    醤油づくりにもチャレンジ! 「市販のものとぜんぜん違ってびっくりするくらいおいしい」とのこと
  • 「HEGURI HUB」の背後にそびえる標高336mの伊予ヶ岳。ハイキングコースも整備されています
    「HEGURI HUB」の背後にそびえる標高336mの伊予ヶ岳。ハイキングコースも整備されています

以前より家族で過ごせる時間も増えたとのこと。現在は3人目の男の子も誕生し、家族5人で南房総での暮らしを満喫中です。

「正直なところ、子どもの習い事の選択肢は少ないし、私は舞台が好きで子どもにも本物を見せたいという思いがあったけれど、そういった機会も少ない。けれど、それにとってかわるすばらしさがここにはあります。子どもと一緒に田んぼに入ったり、保育園の帰りに海に寄って太陽が沈むまでその光景を眺めたり。都会ではそのために出かけなければならないようなことが、日常の中に散りばめられているんです。次男のアトピーも驚くほどよくなりましたし、環境を変えて本当によかったと思っています」と真由子さん。創史さんは、棚田の景観を維持し、次世代につなげていく活動に賛同し、地元の方とともに棚田でのお米づくりにも挑戦中。仕事もプライベートも充実の日々を送る高木さん一家。移住した満足度を尋ねると「200%!」と笑顔で答えてくれました。

アイデアやスキルを活かせば仕事が生まれる

真由子さんが抱いているのは南房総に移住してから誕生した三男。元気いっぱいの男の子3人に囲まれ、にぎやかに暮らしています

地域おこし協力隊の任期はあと2年。任期中に実現したい企画もまだまだあり、任期終了後はこちらで宿泊者同士が交流できるような宿を作ることを構想中とのこと。「ここには日本の原風景があるので、ぜひ海外の方にも来てもらえるような宿にしたい」とお二人は夢を語ります。それだけこの地域に魅力や可能性を感じているということでしょう。

「農家の人などはとにかく人手がほしいといっているので、移住者はウェルカム。ただ、現物支給だったりするので、お金にするのはなかなか難しいかもしれません。地元の人たちは“こんな何もない場所によく来たねぇ”というけれど、私たち移住者からしたら自然豊かなこの場所は宝の山。アイデアやスキルがあれば、空き家や遊休農地などを活用して仕事にできる可能性はあるし、地域にも貢献できると思います」

理想の子育て環境を求めて移り住んだ南房総で、地域おこし協力隊として活躍中

プロフィール

南房総市

高木 創史さん・真由子さん

家族構成 夫婦、息子3人
職業 創史さん 旅館経営・地域おこし協力隊、真由子さん ヨガインストラクター
住居 中古の一軒家
地域交流 「HEGURI HUB」での交流や、棚田の景観維持などの地域活動に参加
支援制度利用 移住前にトライアルステイを利用

相談窓口

移住に興味がある方は、県や市町村の移住相談窓口にお気軽にご相談ください。