銚子市出身の優子さんが千葉県内の病院に通院することもあって、県内で移住先を探すことにした保坂さん。「まずは旅行がてら県内のあちこちを見て回った」とのことですが、なかなか「ここだ!」という土地には出合えずにいました。
そんな折、たまたま立ち寄ったのが香取市(旧・栗源町)にある「道の駅くりもと 紅小町の郷」。
「娘の花がなぜかそこの公園をいたく気に入って。どうせなら、もうここに決めてしまおう(笑)となりました」
場所が決まれば次は農地と家探し。ここから和仁さんの行動力がものをいいます。
「無農薬で野菜を作りたいと思っていたので、オーガニック関係のイベントやマルシェに出店している農家さんに教えを請いに行ったというか、“実は香取市で無農薬農業をやりたんですけど……”って聞いて回って。その流れで山武市で有機農業を実践している『三つ豆ファーム』さんと繋がりを持つことができたんです」
三つ豆ファームさんに紹介してもらった香取市と成田市の農家で研修に励んだ和仁さん。その縁で農地と家を紹介してもらうことができました。
「新規就農には原則、5反(約5000㎡)の農地が必要(現在は法改正され下限なし)ですが、3反分を師匠に紹介してもらい、残りの2反分は市役所に問い合わせて探してもらいました。最初は4ケ所ほどに畑を借りていましたが、最近ようやく畑を1ケ所にまとめることができて作業も楽になりました。家については、いつの間にかここに住む流れになっていて(笑)。10年ほど空き家だったものを自分たちでリフォームして暮らしています」